マンションという集合住宅に住むと、ご近所付き合いを余儀なくされる。
別段積極的に行っているわけでは無いが、着かず離れずで、良好な関係を保ちたいとは思っている。
我が家も、唯一会話をするご近所さんがいて、その家には4歳ぐらいの息子さんがいる。
たまにエレベーターや玄関先で会うことがあるんだけど、気持ちのいい笑顔を作り、愛嬌たっぷりで話しかけてくる。
お母さんも可愛らしい人で、うちの嫁とも仲が良い。
とまあ、そんなご近所の息子さんなんだが。
我が家の寝室は、マンションの廊下に面している。そうせざるを得ない構造になっており、このマンションに入居しているほとんどの家庭が、この廊下に面した部屋を寝室にしていると思うんだけど、
その廊下を、ご近所の息子さんが毎朝7時半に必ず駆け回るのだ。
ダダダダダ、ダダダダダ、と往復しながら、道行く学生たちにこう叫ぶ。
「中学生のおねーーーちゃーーーん」
「中学生のおにーーーちゃーーーん」
これをおおよそ15分ほど行う。
都合の悪いことに、うちの近所には小学校も中学校もあり、登校する学生には事欠かない。
息子さんは、それを廊下の隙間から覗き込み、毎朝呼びかけているのだ。
「うるせええええええええ!!!!!」
と、俺は起きる。
今まで息子の夜泣きがひどかったので別室に寝ていたこともあり、この朝の行事には気付かなかった。
嫁に今までうるさくなかったのか?と聞いたところ、
「うん。毎回ぶっとばしたいよ」という気持ちのいい答えが返ってきた。
どうやらお父さんの出勤に合わせて息子さんも廊下に繰り出してくるらしい。
タチが悪いのが、このお父さん、不動産会社に勤務していて土曜日も出勤するのだ。
土曜日は中学校も休みのはずなんだけど、なぜか
「中学生のおねーーーちゃーーーん」
が15分続く。
ホント、朝からちょっとした試練だよ。
しかし、これを注意できるかといえば、けっこう難しい。
眠りを妨げられているし当然の主張なんだけど、言われたほうはけっこう腑に落ちないもんだ。
例え納得してくれたとしても、ふと関係がこじれたときなどに、それは遺恨と姿を変えて表面化したりする。
だから俺は、息子さんの成長をその親御さんよりも数倍、強く願っているんだ。
すくすく育って、早くその遊びに飽きてくれないかなと。










